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投資信託の手数料(販売手数料・信託報酬等)の比較の目安、高い安いの基準

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投資信託選びの基準の一つに手数料が高い安いがあります。手数料はいくつか種類があり、最初に目安を確認して比較するといいでしょう。

■この記事で学べること

【1】投資信託(投信)にかかる3つの手数料

【2】手数料が高いか安いかの目安と平均

【3】手数料の比較方法と、投信手数料が無料という意味

【4】投資信託の手数料引き下げの動き

投資信託の手数料について比較するための目安やポイントを解説します。

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投資信託(投信)にかかる主な3つの手数料

投資信託(投信、ファンド)にかかる3つの手数料

投資信託(投信、ファンド)は多くの人からお金を集めて、そのお金を一つの資金として(大きなお金にして)これを元に収益を還元する仕組みです。

個人が世界中の国々の投資対象を一つ一つ調べるのは大変ですから、それは専門家に任せてリスク分散(投資対象の分散)していきます。

専門の人に任せるということは、どんな仕事でもお金がかかります。

投資信託の場合は専門家に運用を任せるために必要なものなどが各種の手数料です。

日本国内には投資信託は6,000本以上あります。これまでの運用実績や規模、投資対象などさまざまな観点から比較する必要があります。

その中でも気にしておきたいのが投資信託にかかる手数料です。

預貯金をしても手数料は取られませんが、投資信託では手数料がかかり商品ごとに一律ではありません。

投資信託の手数料は高いものもあれば、安いものもあります。

本来は手数料が高くてもそれに見合ったパフォーマンス(運用益)があればいいので、手数料の比較が投資信託選びのすべてではないことは理解してください。

但し、はじめて投資をする人(あるいは初心者)にとって、コスト負担を減らしておけば比較的失敗が少なくなります。

その観点から投資信託にかかる主な手数料3つを確認しておきましょう。

販売手数料(購入時手数料)

金融機関などが投資信託を販売したとき(投資する人からすれば購入したとき)にかかる手数料が「販売手数料(購入時手数料)」です。

販売元である銀行や証券会社に支払うもので購入時(販売時)のみかかる手数料です。

目安として一般的に投資信託の購入金額の1~3%程度になっています。

投資信託によって販売手数料がかかるものとかからないものがあります。

最近は販売手数料がかからないタイプの投資信託(ノーロード型)も増えています。

販売手数料(購入時手数料)については、ノーロードかそうでないか、手数料がかかるなら何%なのかで比較する必要があります。

手数料の観点だけでみれば、ノーロード型であればそれに越したことはありません。

また最近はノーロード型の投資信託も増えています。

運用管理費用(信託報酬)

投資信託を購入して保有している間、その資金は運用されます。

運用はプロが行いますから、その間に運用にかかる費用や文書の作成や発送、資産の保管などかかるコストがあります。

これらに対して支払うものが、「運用管理費用(信託報酬)」です。

※もともと信託報酬といいましたが、言葉が分かりにくいということで運用管理費用というようになりました。

この手数料は証券などの販売会社、資産の運用会社、信託銀行で分けて支払われます。

手数料の目安として一般的に運用管理費用(信託報酬)は0.1%弱~2%程度です。

販売手数料と異なり、運用管理費用(信託報酬)は投資信託を保有している間はずっと手数料として取られます。

最近は手数料引き下げの動きとともに運用管理費用も安いものが増えています。

通常は信託報酬がゼロということはほとんどないので、投資信託の手数料を比較する際には信託報酬が何%かを気にしてください。

信託財産留保額

投資信託を解約などするとかかる手数料が「信託財産留保額」です。

実際には改めて手数料として支払うわけではなく、解約したときの代金から差し引く仕組みになっています。

他の手数料と同様に投資信託の種類によって信託財産留保額は異なります。

目安として一般的に0.3%程度ですが、販売手数料のように手数料のかからない投資信託もあります。

そのため信託財産留保額もまずは手数料がかかるかどうかを比較するようにしましょう。

投資信託手数料が高いか安いかの目安と平均

投資信託手数料が高いか安いかの目安と平均

投資信託の手数料が主に3種類あって、販売手数料や信託財産留保額などのように手数料がかからないものもあるとお話しました。

先ほどまでの話を考慮した上で、手数料が他界か安いかの目安や平均などについて確認しておきましょう。

投資信託の種類によって手数料の高い安いがある

投資信託の手数料は一律ではない、販売手数料などもノーロードものがあるとお話しました。

手数料が安ければ何でもいいわけではありません。

手数料の高い安いについて基本的な考え方を知っておいてください。投資信託は運用手法や投資対象などによってさまざまなかたちで分類することができます。

例えば日経平均株価など指数と言われるものがいくつかあります。

こうした指数に連動して機械的に運用するものをインデックス型、指数を上回るかたちで運用を目指すものをアクティブ型といいます。

例えばアクティブタイプの投資信託の方がインデックスタイプよりも高い運用を目指すため(運用結果は別)、運用管理費用(信託報酬)は一般的にアクティブ型の方が高くなります。

投資対象も株式や債券、REITなどがありますし、それぞれ国内のものや海外のものがあります。

国内の株式投資信託より、例えば海外の新興国を対象にした株式投資信託などの方が手数料は高めです。

どんな業界の仕事でも同じですが、プロが手間をかける割合が高いものの方がコストが高くなります。

投資信託も同様だと考えてください。

投資信託手数料の目安と平均

3つの手数料のところで一般的な手数料率の目安をお話しました。

  • 販売手数料(購入時手数料)1~3%程度
  • 運用管理費用(信託報酬) 0.1弱~2%程度
  • 信託財産留保額      0.3%程度

あくまで一つの目安と考えてください。運用する投資対象や運用方法などで手間がかかるものは手数料が高くなります。

はじめてあるいは初心者の人が投資信託を購入する際、ノーロード型で販売手数料が無料なもの、信託財産留保額がかからないものを中心に比較してください。

例えば、つみたてNISAはインデックス型の投資信託について、ノーロードタイプを基本に株式を主たる投資対象にしており運用管理費用は次のようにしています。

  • 国内資産を対象とするもの:運用管理費用( 信託報酬)0.5%以下
  • 海外資産を対象とするもの:運用管理費用( 信託報酬)0.75%以下

投資信託に限りませんが、手間がかかる方が手数料が高いのは当たり前の話です。

運用方法や投資対象の異なる投資信託でAは手数料が高い、Bは安いというのはナンセンスです。

個人型の確定拠出年金(iDeCo)の拡充や新NISAがはじまったこともあり、投資信託の運用管理費用(信託報酬)の手数料が安いものが増えています。

年々信託報酬なども低下傾向にあります。

ネット証券なら比較的これらの手数料が安い、あるいはノーロード型のものが多いのでチェックしてみてください。

手数料が無料という意味、投資信託手数料の比較方法

手数料が無料という意味、投資信託手数料の比較方法

手数料が無料の意味とは?

手数料が無料というとノーロード型のものを指すことが多いのですが、ここまで解説したようにノーロード型でも信託報酬(運用管理費用)などはかかります。

つまりすべての手数料が全くかからずに無料であるということはまずありません。

無料といっても完全にゼロで1円もかからないわけではないのです。

投資信託の手数料の比較方法

繰り返しますが、投資信託選びは手数料がすべてではありません。

人気がなければ予定した期間の運用ができずに早めに償還(満期のようなもの)を迎えるケースもあります。

但し、はじめての人には手数料が安い、コスト負担の軽いものの方が失敗する可能性が低くなります。

先ほども解説しました、つみたてNISAの場合、ノーロード型のみで信託報酬0.5%以下などと具体的に決められています。

金融庁 NISAを利用する皆様へ(令和6年6月)

はじめての人はこうしたところから比較してみるといいでしょう。

なお、確定拠出年金の場合には手数料の基準は定められていませんから注意してください。

一般の口座で投資信託を購入するときも同様です。投資信託の購入のときに渡されて説明を受ける書面やネットでの商品案内に手数料が何%か必ず記載があります。

自分でチェックする、銀行の窓口など対面で説明を受けるなら手数料がどのくらいかかるか聞くようにするといいでしょう。

投資信託の手数料引き下げの動き

投資信託の販売手数料「ゼロ」の動き

2019年11月にフィデリティ証券がネット軽油での投資信託販売の手数料を無料化すると発表しました。

その後auカブコム証券が2019年12月に社名変更と同時に株式の信用取引の手数料を撤廃。その後業界内で信用取引だけでなく、投資信託やETFなどにも広がりをみせています。

SBI証券や楽天証券、マネックス証券、松井証券などネット証券を中心にこの動きが加速しています。

投資信託の販売手数料は無料になる動きに拍車がかかってきています。

さらに運用管理費用(信託報酬)を引き下げた投資信託が続々と登場しています。

まとめ

投資信託の手数料(販売手数料・信託報酬等)の比較の目安、高い安いの基準、についていかがでしたか。

以前よりもノーロード型や信託報酬の安いものが増えてきましたが、アメリカなどと比べると投資信託の商品性も含めてまだまだと言われています。

投資信託の手数料の比較は重要なポイントです。もちろんどんなかたちで運用するのか、期間はどのくらいか(長い方がいい)、投信(ファンド)の規模など色々あります。

手数料を基準にしていくとインデックス型のものが中心になるでしょうが、さまざまな視点から投資信託を比較してみてください。

手数料無料化の動きも今後は加速していくでしょう。投資信託の手数料も一層割安なものが増えてくることを期待します。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
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