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独身・一人暮らしが知っておくべき老後資金と住宅、貯金とは?

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一人暮らし(独身)の老後資金や生活費、貯金はいくら?

一人暮らし(独身)、おひとりさまの老後資金や生活費、貯金はいくら必要?

独身の一人暮らし、おひとりさまといっても個別に状況はさまざまです。職業で考えても会社員もいれば公務員、フリーランスによって老後に受け取る公的年金額が違います。

また一人暮らしといってもずっと独身の人もいれば、離婚した人、シングルマザー(シングルファーザー)だったが、子どもが独立して一人という人もいるでしょう。

もちろん年齢による違いや性別もありますし、親と同居していたが親が亡くなって一人暮らしになったケースもあるでしょう。

住まいについても賃貸の人、独身だけどマンション購入・一戸建てを購入した人など居住形態もさまざまです。

統計はあくまで平均で個人の実態に近いとは限りません。いくつか統計がある場合は自分に近いものをいくつかすり合わせをしてください。

その上で最終的に自分の場合にはどうなるかというなるべく実態に近い数字のシミュレーションが重要です。

独身(男性・女性)の老後の生活費はいくら?

老後に一人暮らしの独身者がどのくらいの生活費で暮らしているのかみていきましょう。高齢単身無職世帯とは、60歳以上の独身・一人暮らしの無職世帯です。

<65歳以上単身無職世帯の家計収支  2020年度月平均額 単位:円>

食 料 36,581
住 居 12,392
水道高熱 12,957
家具家事用品 5,328
被服費等 3,181
保健医療 8,246
交通通信 12,002
教 育 0
教養娯楽 12,910
その他※ 29,549
消費支出 133,146
非消費支出※ 11,541

※諸雑費、交際費、仕送り金
※直接税・社会保険料

出所:総務省 家計調査報告(家計収支編)―令和2年(2020年)平均速報結果の概要より筆者作成

あくまで高齢の単身者(独身)というくくりだけで、収入状況や地域性などは考慮していません。この家計収支の内訳をみて、そんなわけはないという人もいるでしょう。

統計を一つの参考にしながら、自分の場合のいまの時点での実際の支出を考えてみてください。

独身・一人暮らし老後資金はいくら必要?

家計支出については前の項目で確認したと思いますから、ここでは老後の収入の見込みについて確認していきます。

老後の収入の軸は何だかんだで公的年金です。郵送されてくるねんきん定期便や下記の日本年金機構のWEBサイトで試算することができます。

50歳以降になるとより具体的です。

日本年金機構 年金見込額試算

ちなみに職業で区分すると公的年金は次のようになります。

  • フリーランス 国民年金
  • 会社員など  国民年金+厚生年金(勤務先によってさらに企業年金等が上乗せ)

※国民年金の正式名称は老齢基礎年金、厚生年金の正式名称は老齢厚生年金といいます(以下、国民年金・厚生年金)。

公務員の場合には年代によって違いがありますが、さらに上乗せ部分があります。

会社員でも公的年金に加えて勤務先の会社が独自に企業年金制度を上乗せしているケースもあります(確定給付企業年金や確定拠出年金など)。

企業年金がどのくらい貰えるかは勤務先に確認してください。

老後の公的年金(企業年金も)の金額がおおよそ分かったらおおよそでいいので計算してみます。

(毎月の老後の収入-毎月の老後の支出)×老後の期間

老後の期間は仮に65歳から95歳まで考えるなら30年、100歳まで考えるなら35年ということになります。

実際にはいま保有している預貯金や積立保険や個人年金、その他の金融資産があるならそれも収入としてプラスの収入に足してください。

さてプラスになりましたか、マイナスになりましたか?

プラスであればいいですが、マイナスだからといって悲観する必要はありません。大まかな試算でも数字にすることで何をすべきかが見えてくるからです。

おひとりさまの貯金はいくら必要?

ここで独身の人の貯金について確認してみましょう。先ほどまでのシミュレーションでマイナスがでたら、単純にその不足分が必要ということになります。

この下に平均貯蓄額の関連記事があります。

この記事の2ページ目に独身の男女別の統計と年代(20代、30代、40代、50代、60・70代)ごとの平均貯蓄額の記事のリンクがありますので参考にしてください。。

預貯金で貯めることはできても、残念ながらほとんど今はほとんど増えませんし、増やせません。

例えば自営業・フリーランスの人であれば仕事があれば65歳でやめるというよりは、仕事があるうちはずっと働くというのが不足分を埋める近道です。

もともとフリーランスや個人事業主の人は、国民年金しかありませんから自助努力の割合が高くなります。これは今も昔も同じです。

例えば近所の個人商店の人などは高齢者でも普通に働いているでしょうからこれと同じです。

老後の一人暮らし・独身は賃貸?マンション・一戸建て購入?

老後の一人暮らし・独身は賃貸?マンション・一戸建て購入?

おひとりさまが老後の生活で考えることの一つは住まいです。

親の自宅を相続して住まいがあるのか、ずっと賃貸で生活していくか、マンションか一戸建てを購入するかなど選択肢がいくつかあります。

もともど独身者に限らず賃貸と持ち家どっちが得?のような議論は昔からありますが、住居費は家計に占める固定費の代表格です。

重要なポイントなのでそれぞれみていきましょう。

ちなみに独身者の住宅購入については次のようなアンケート結果がでています。

<自家取得の予定時期>

  • 将来にわたりマイホームを取得する考えはない 43.3%
  • マイホームの取得については目下のところ考えていない 32.5%
  • 親からの相続等によるので、いつになるかわからない 5.1%
  • 今後●年以内(※) 18.0%

※今後3年以内、5年以内、10年以内、20年以内、20年より先の割合を筆者が足した合計

出所:「家計の金融行動に関する世論調査」[単身世帯調査] (2020年) 

コロナ禍によってテレワークが中心になったことで、都心を離れて郊外や田舎の物件の購入希望も増えているようです。

安く購入できるメリットはありますが、もろもろの周辺環境や医療事情なども含めて総合的に考えてみてください。もちろん物件を買わないという選択もあるでしょう。

独身・おひとりさまの賃貸

独身の人がずっと賃貸住まいでいる場合、不安に思うことの一つが高齢になると賃貸を借りにくくなる、保証人をどうしようなどということではないでしょうか。

もちろん家賃を支払うだけで資産にならないということもあるでしょう。

人口が減り物件が余り、高齢者が増える中でずっとこの状況が続くとも思えません。必要以上に神経質になることはないと考えます。

実際に単身者の孤独死は少額短期保険の孤独死対策委員会によると年齢層では60代が最も多くなっています。

老後の収入源の中から家賃という固定費を払い続ける必要があるので、家計管理をしっかりすることを心がけてください。

また資産にならないというデメリットはあるものの、生活環境の変化に合わせて住み替えできる、対応しやすいことは賃貸の一番のメリットです。

独身・おひとりさまの持ち家購入(マンション・一戸建て)

持ち家を購入する計画のある人に覚えておいてほしいのは状況は色々変わることがあるということです。

独身のつもりだったけど良い相手と出会って結婚することになった。購入した家を売るあるいは貸すという選択をすることもありえるということです。

住宅を終の棲家というのも考えの一つですが、状況が変わったときに対応しやすい(売りやすい、貸しやすいなど)ものの方が変化があったときの選択肢が増えます。

またマンション購入の場合、自分の年齢から何歳くらいまで住むかも考えてみてください。マンションでは修繕計画を立ててお金を貯めていくことが必要です。

住宅ローンの返済以外に修繕積立金や管理費、税金の支払いもあります。

新築マンションの場合、修繕積立金や管理費が低めに設定されていて、後で金額が上がることがあるので注意が必要です。

一戸建てでももちろん修繕はありますが、マンションは個人の意思だけでは決まりません。

80年代、90年代にマンションを購入した人がマンション管理を業者に丸投げにしていて管理組合にお金がなく困っているケースがでています。

独身者に限ったことではないのですが、マンションの場合には所有者が全員が管理組合の運営を積極的にすることが資産価値の維持につながります。

一人暮らし・独身のための老後に備えて

一人暮らし・独身のための老後に備えて

老後の備えが足りている人、何とかなるかと思っている人、ちょっと足りない人色々かもしれませんができることを考えてみましょう。

老後の生活費の軸

老後における生活費資金源をみると(3つまでの複数回答)、「公的年金58.4%」「就業収入52.6%」がトップ2です。

これに「企業年金・個人年金・保険金30.1%」「金融資産の取り崩し24.7&」が続きます。

色々言われているものの公的年金が軸であることに変わりません。その理由は年金の受け取りが始まったら死ぬまでずっと貰えるという部分が大きいでしょう。

金融資産のように使ったら減るというわけではないからです。

出所:「家計の金融行動に関する世論調査」[単身世帯調査] (2020年) 

なお、公的年金は繰り下げ受給(逆に繰り上げ受給も可。年金は減額)を選ぶことができます。

現行の制度では65歳から受け取る年金を最大70歳まで繰り下げると受け取る年金額が42%増えます。

もちろん67歳、68歳などとすることもできますし、65歳のままということも自分で選択することができます。

老後も働いてお金を得るというのは難しい話ではなく生きる時間が長くなっているので、働く期間も伸ばすというのはごく自然な考え方です。

最も仕事がないと働けませんから、雇われる声がかかる能力や人脈がある、自分で稼ぐ力があるなども大切なことです。

収入を得る手段と知識・経験を多く持つ

元気であればできるだけ働くことは体や心、お金の健康を維持する意味でも大切なことです。

収入を得るための方法や知識・経験が複数あるほど、多いほど有利ですし老後の選択肢も増やすことができます。

投資に関してはやりたい人とそうでない人がいるでしょうが、少額で少しずつでもはじめて知識と経験を積んでください。

健康を維持する

健康を損ねると医療費などがかかるのでさらにお金がかかります。年齢を重ねるとあちこち健康診断の数値などが悪くなっていくのは仕方のないことです。

しかしその年齢なりに健康でいる、カラダと心の健康を維持していることは家計の健康にも繋がる大切なことです。

おひとりさまの老後に向けて何より大切なこと

お金は本来使うためにあります。貯めることは手段で目的ではありません。

もちろん自分の寿命がいつか分からないので、なかなか使いにくいというのはあるでしょうが、お金は自分の生活を豊かにするためのものです。

いまの生活を楽しんでいますか?日々笑って生活していますか?

毎月やりくりが大変だという人も多いでしょう。精神論だけを語るつもりはありませんが、老後は大切ですし、万が一のときも大切です。

しかし一番大切なのはいまの生活です。誰もが明日どうなっているか分かりません。いまが楽しめていなければ、老後も楽しめているとは思えません。

昔は良かったなどという人がいますが、先のことや将来がどうなるか、どう変わっていくのか分からないのは今も昔も同じです。

バブルのときは景気の良い時代だったといっても、将来もそれがずっと続くと思って高額な住宅を購入、ローンを組んでバブル崩壊とともに家計破綻した人も多かったのです。

自分の生を受けた時代は選べませんし、生を受けた時間も限りがあります。今風にいうと人生100年ということでしょうか。

与えられた一度きりの時間を自分なりに有意義に楽しんで生活することを思い出してください。独身でもそうでなくても老後の生活はその延長にあるのです。

まとめ

独身・一人暮らしが知っておくべき老後資金と住宅、貯金とは?、についていかがでしたか。

今後独身・一人暮らしの高齢者はますます増えていくでしょう。

頼れる人がいないとおひとりさまでは不安と思うかもしれません。しかし結婚している人でも長生きすれば最後は一人になります。

情報社会の中でさまざまな情報が飛び交って不安や心配ごとが多いかもしれませんが、いまの生活を楽しみながら将来に備えてください。

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ライター紹介 ライター一覧

平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

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