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60代・70代の平均貯蓄額2024!平均値・中央値と貯金なしの家計の貯蓄方法

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老後(60代、70代)の平均貯蓄額は、現役世代とは違う傾向があります。仕事の有無やお金が入る仕組みがあるか、これまで貯蓄したかなどで個別に大きな違いがでてきます。

■この記事で学べること

【1】60代・70代の年収別の平均貯蓄額(平均値・中央値)

【2】年収別の貯蓄額ゼロの割合

【3】1,000万円、3,000万円を貯蓄している年収別の割合

【4】独身の平均貯蓄額(平均値・中央値)

【5】老後(60代・70代)からの貯蓄方法は?

家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)の調査結果(2024年2月詳細公表のクロス集計 最新)を元に、老後(60代・70代)の貯金事情と家計について解説します。

*一部単身世帯(独身)のデータも掲載しています。

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老後(60代・70代)の年収別の平均貯蓄額の平均値と中央値

老後(60代・70代)の年収別の平均貯蓄額の平均値と中央値2024(令和6年)

最初に定年後の老後世代の平均貯蓄額について、60代と70代の年収別に「平均値」と「中央値」を確認しましょう。

貯蓄の平均とは全体を平均したものです。

但しごく一部の貯蓄の高い人がいると平均はそれに引きずられて高くなります。

中央値はすべての統計の数字を並べたときに真ん中にくる数字の統計も入れています。平均貯蓄額を見るときには中央値の方がしっくりくるはずです。

そのため中央値を基準に平均貯蓄額の参考としてください。

※平均貯蓄額の統計には総務省の家計調査報告もありますが、金融広報中央委員会の調査が年代・年収別で掲載されているのでこちらを使っています。

毎年12月に公表されていますが、年代と年収を合わせた設問間のクロス集計は2024年2月に公表されておりこれを使います。

60代の貯金額の平均と中央値

60代(還暦後)の貯蓄額は、年収別には下記の結果となりました。

年収 平均値 中央値
収入なし 891万円 0万円
300万円未満 845万円 160万円
300~500万円未満 1630万円 700万円
500~750万円未満 1866万円 905万円
750~1,000万円未満 3071万円 2100万円
1,000~1,200万円未満 3117万円 2430万円
1,200万円以上 5973万円 3000万円

*出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 2023年調査結果の統計を元に筆者作成

還暦を迎えた60代以降になると会社員などだと定年で収入無しの人が増えます。

一方で自営業やオーナー企業の会社役員などはそのまま収入が継続します。不動産収入などがある人も同様です。

参考までに別の統計で総務省が2023年(令和5年)5月12日に公表している家計調査の結果も入れておきます。

  • 60-69歳の平均貯蓄額 2,458万円(うち負債207万円)

出所:総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-令和四年(2022年)平均結果-(二人以上の世帯)

70代の貯金額の平均と中央値

70代については「70代以上」となっているので80代以降の方も統計に入っていると考えてください。

70代以降の貯蓄額の平均値は、年収別には下記のようになっています。

年収 平均値 中央値
収入なし 232万円 0万円
300万円未満 843万円 219万円
300~500万円未満 1663万円 820万円
500~750万円未満 2298万円 1010万円
750~1,000万円未満 2659万円 1500万円
1,000~1,200万円未満 3383万円 2151万円
1,200万円以上 5406万円 3000万円

*出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 2023年調査結果の統計を元に筆者作成

高齢者である70代の貯金額は年収別にはこのようになりました。

60代と平均を比べると貯金が増加しているところもありますが、資産の取り崩しをするご年齢なので大きな60代と比べて大きな乖離はありません。

参考までに2023年5月12日公表の総務省の家計調査からの統計です。

  • 70歳以上の平均貯蓄額 2,411万円(うち負債90万円)

出所:総務省統計局 家計調査報告(貯蓄・負債編)-令和四年(2022年)平均結果-(二人以上の世帯)

定年後の高齢者(60代・70代)の年収別の貯蓄額ゼロ(なし)の割合

定年後の高齢者(60代・70代)の年収別の貯蓄額ゼロ(なし)の割合2024(令和6年)

老後の世代だと少々深刻な話になりますが、60代、70代でも貯蓄ゼロ(なし)の人がいます。

老後に貯金がないというのは良くない状態ですが、まずは統計結果をみてみましょう。

統計上は、「金融資産非保有」という項目になり、貯蓄ゼロの人の年代・年収別の「割合」になります。

60代の貯蓄額ゼロ(なし)の割合

年収 貯蓄なし
収入なし 60.5%
300万円未満 32.0%
300~500万円未満 20.7%
500~750万円未満 14.2%
750~1,000万円未満 11.5%
1,000~1,200万円未満 7.5%
1,200万円以上 11.3%

*出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 2023年調査結果の統計を元に筆者作成

年収300万円未満、収入なしを見ると、それぞれ32%、60.5%弱が貯蓄なしで厳しい状態です。

70代の貯蓄額ゼロ(なし)の割合

年収 貯蓄なし
収入なし 66.7%
300万円未満 30.0%
300~500万円未満 15.8%
500~750万円未満 12.6%
750~1,000万円未満 7.9%
1,000~1,200万円未満 8.0%
1,200万円以上 11.4%

*出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 2023年調査結果の統計を元に筆者作成

いまの70代であれば年金の受取をしている人がほとんどです。

働いている人もいるでしょうが、収入のない人の半数以上が金融資産を保有していません。

但し、高齢になると生活費として貯蓄の取り崩しに入っていることや残さずに使うという考え方もありますから、ここは一概には言えません。

但し平均寿命は延びているのでそれも考慮する必要はあるでしょう。

60代でも70代でもそれなりに所得があっても貯蓄ゼロの人が一定いることがわかります。

収入は高いに越したことはありませんが、それだけでもないということです。

1,000万円、3,000万円を老後に貯蓄している人の年収別の割合

1,000万円、3,000万円を老後に貯蓄している人の年収別の割合2022

ここでは60代、70代で1,000万円、3,000万円貯めている人の年収別の割合をみてみましょう。

さすがに70代になると貯蓄の取り崩しの時期にも入ってくるので減ってきています。

1,000万円を老後に貯めている人の年収別の割合

【60代で1,000万円貯蓄のある人】

年収 貯蓄1,000-1,500万円未満
収入なし 0.0%
300万円未満 3.7%
300~500万円未満 9.7%
500~750万円未満 6.4%
750~1,000万円未満 7.7%
1,000~1,200万円未満 9.4%
1,200万円以上 7.0%

*出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 2023年調査結果の統計を元に筆者作成

【70代で1,000万円貯蓄のある人】

年収 貯蓄1,000-1,500万円未満
収入なし 0.0%
300万円未満 9.0%
300~500万円未満 10.0%
500~750万円未満 10.6%
750~1,000万円未満 17.5%
1,000~1,200万円未満 12.0%
1,200万円以上 14.3%

*出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 2023年調査結果の統計を元に筆者作成

60代及び70代以上について特に働く時間を伸ばす必要がでてきている以上、収入金額はともかく特に60代であれば貯蓄は増やしておきたいところです。

1,000万円以上となるとやはりある程度は収入に比例してきます。

3,000万円を老後に貯めている人の年収別の割合

【60代で3,000万円貯蓄のある人】

年収 貯蓄3,000万円以上
収入なし 4.7%
300万円未満 8.2%
300~500万円未満 15.1%
500~750万円未満 21.9%
750~1,000万円未満 34.6%
1,000~1,200万円未満 41.5%
1,200万円以上 50.7%

*出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 2023年調査結果の統計を元に筆者作成

【70代で3,000万円貯蓄のある人】

年収 貯蓄3,000万円以上
収入なし 0.0%
300万円未満 6.9%
300~500万円未満 19.0%
500~750万円未満 29.5%
750~1,000万円未満 33.3%
1,000~1,200万円未満 36.0%
1,200万円以上 51.4%

*出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 2023年調査結果の統計を元に筆者作成

3,000万円以上貯金出来ている人の割合です。一般的に年収が上がるにつれて3,000万円以上貯金のある人の割合が増えていきます。

他の若い世代でも似た傾向がありますが違うのはその比率が高いところです。

これは60代、70代ともに同じ傾向があります。

60代・70代独身の平均貯蓄額の平均値と中央値

60代・70代独身の平均貯蓄額の平均値と中央値2024(令和6年)

「金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査」の統計には二人以上世帯と単身世帯のものがあります。

2人以上世帯については60代70代とも夫婦のみのこともあれば、親と子あるいは2人以上いるケースもあると考えてください。

ここまでの統計は二人以上世帯のものをみてきました。

ここでは単身世帯、つまり60代・70代の独身の人の収入別の統計(平均値・中央値)をみておきます。なお、性別では分かれていません。

【60代の独身の年収別の平均貯蓄額(平均値・中央値)】

年収 平均値 中央値
収入なし 852万円 0万円
300万円未満 1129万円 162万円
300~500万円未満 2107万円 850万円
500~750万円未満 4298万円 3097万円
750~1,000万円未満 7000万円 1800万円
1,000~1,200万円未満   -   -
1,200万円以上   -   -

*出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 2023年調査結果の統計を元に筆者作成

独身の人は自分で何とかしなければならないので、どの年収層でもそれなりに貯蓄額はあるようです。

【70代の独身の年収別の平均貯蓄額(平均値・中央値)】

年収 平均値 中央値
収入なし 379万円 0万円
300万円未満 1067万円 400万円
300~500万円未満 3078万円 1825万円
500~750万円未満 5743万円 5148万円
750~1,000万円未満 5925万円 4350万円
1,000~1,200万円未満 0万円 0万円
1,200万円以上 4095万円 4095万円

*出所:金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 2023年調査結果の統計を元に筆者作成

70代の単身世帯の数字ははじめてでてきましたが年齢的なものかそれなりにあります。

年収1,200万円以上は、この統計ではめったにみない億越えとなりました。中央値が平均値より高くなっていますが実際の統計もこのとおりです。

老後(60代・70代)からの貯蓄方法は?

平均貯蓄額を上げるための老後からの貯蓄方法2024(令和6年)

60代、70代の定年世代、ここまでの統計を見てみると、結構貯金がある人もいれば、貯金ゼロ(なし)の人もいて、他の世代よりも差がでています。

老後から貯金する方法はというと、この世代から新たに何かをはじめるにはエネルギーがいるので出来る人は少ないかもしれません。

働ける人、仕事のある人は就業して、家計を管理して無駄を減らすことが基本です。

収入と支出の把握は家計管理の基本です。

年代を問わずここが分かっていないと貯蓄しようがありません。毎月何とかなっているからいいのではなく、収入と支出が把握できてないから貯まらないのです。

その上で無理のない範囲で殖やすことも考えてみましょう。

筆者のお客様に60代で自営業を辞めてから株式投資を独学で始められた方がいました。

うまく儲けがでたこともあれば、うまくいかなかったこともあったようですが、悲観的ではなく、楽しそうに話しをされていたのが印象に残っています。

株主優待でお孫さんとディズニーランドに行くのを楽しみにされていました。

投資に関して高齢の方でやってはいけないのは、分からないとかめんどくさいを言い訳に人に丸投げすることです。

相談するのはどんどんしたらいいでしょうが、相手の言いなりに任せてしまうくらいならやらない方がいいでしょう。

他にも後期高齢者を過ぎて元気に働いている人もいました。

なおこの方は会社役員などではなく普通にお勤めです。

例えば老後に入ってから株式などで投資をゼロからはじめるのは勉強や本人の意思が必要です。

必ずしも勧めませんが、ご本人にそのつもりがあればむしろ良いことだと思います。

一発逆転などという発想はせずに働けるなら可能な範囲で地道に収入を得つつ、何かはじめようと思うならしっかり準備してください。

まとめ

60代・70代の平均貯蓄額2024!平均値・中央値と貯金なしの家計の貯蓄方法、についていかがでしたか。

平均貯蓄額について、全体の数字と年代(20代、30代、40代、50代、老後(60代・70代))と別々にみてきました。

世代ごとに特徴がありますし、また老後といっても今の現役世代が老後を迎えるころには、税金や社会保障なども大きく変わっているでしょう。

現役世代の人はいまからできることを地道に進めてください。老後といっても定年直後とその後ではやはり色々変わります。

老後世代でも家計管理は必須です。家計の支出がザルになっているなら今からでもしっかり改善してください。

またこの統計は主に二人以上世帯(収入からの貯蓄割合は独身も)なので、夫婦のパターンが比較的多いでしょう。

年代別ではありませんが、独身のデータが関連記事にある平均貯蓄額の記事の中になるので参考にしてください。

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平野 敦之

平野 敦之

ひらの あつし

平野FP事務所代表。(CFP ®・1級FP技能士・宅地建物取引士・2級DCプランナー・住宅ローンアドバイザー)。東京都出身。大学卒業後に証券会社、損害保険会社等で実務を経験した後1998年に独立。

・個人のライフプラン、お金の悩みやお困りごとのサポート。
・法人の経営者のお金の悩み、営業を支援。

ファイナンシャルプランナー歴20年以上。相談業務の他TVやラジオ、新聞、雑誌など直近の10年間で200回以上の取材を受ける。同業であるファイナンシャルプランナーに対しても情報提供の執筆や講演を行う。

講演・セミナー活動も大学での非常勤講師や国民生活センターや行政機関、大手企業や団体など幅広い実績を持つ。総合情報サイトAll Aboutにて2003年よりマネーガイドを務め、15年以上に渡り定期的にマネー情報の発信を実施。その他の媒体も含めてWEB上での執筆記事は600本以上。

「お金の当たり前を、当たり前に。」するために、現場の相談を中心業務と考え活動を続ける。

【著書】いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)http://amzn.to/2csBEsM
    
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